音楽業界

いよいよCDが売れなくなって、最近では、CDはライブに来てもらうための販促になっているらしい。また、ライブでも盛り上がりを優先するアッパーな曲が増えているとのこと。大物ミュージシャンをはじめ、そういう傾向はあったが、新人も含めてCDとライブの逆転現象が起こっているようだ。
まあ、もともと音楽は、ライブが基本であるので、20世紀にレコードが発明され、レコード産業が拡大し、さらに、マルチトラックや電子楽器が発明されてからライブでは演奏再現不可能な楽曲も増えたりして、ずいぶんライブとの距離ができていたが、20世紀以前の世界に戻りつつあるということなのかもしれない。
レコード会社は、原版権ビジネスと言われるように、マステーテープに、レコード会社と音楽事務所著作隣接権を持つことによって、権利関係をホールドし、さらに、CDの売り上げについての契約を交わすことで、権利関係とビジネスの基盤を築いてきたが、ライブが中心になってしまったら、レコード会社自体の存在感はうすくなってしまう。
それよりも、ライブの出演交渉を行う音楽事務所や、ライブの興行を行うイベンターの方に力がシフトしていくだろう。
その構図は、どちらかと言うと、吉本のような、お笑いタレントのあり方と近いように思える。
また、吉本も、映画や出版などに積極的に参画し、権利関係もホールドすることを進めているし、タレントの多角化に余念がない。
レコード会社が、今後、どのような存在になっていくか難しいところだろう。

ポピュラー音楽の世紀 (岩波新書)

ポピュラー音楽の世紀 (岩波新書)