メディア・アート
主流のメディアから時代遅れになったものが、アートのメディアになる、という流れとは逆に、最先端の技術をアートに応用するというものもある。
最近では、コンピュータを用いた、メディア・アートやインタラクティブ・アートなどは、最先端の技術をアートにしたものだ。
しかしながら、逆説的にアートの表現の主流にはなりえない。やはり、大衆的な技術になって初めてアートのメディアとして主流になる。
ただし、そのような最先端のアートの試みられた様々な表現は、産業的なメディアにまず回収されていく。例えば、Google EarthやiPhoneのような技術は、10年以上作られてきた、メディア・アートの作品の要素が多く含まれる。
それらが、ようやくメディアの主流となりはじめたのが現在である。
このプロセスを経て、インターネットやiPhoneが、主流ではなくなった頃になって、はじめてアートとして新しい価値を模索する時期に入るのではないか。
どちらにせよ、その違いは、マスとしての産業か、個人的な表現か、ということになる。
イームズ夫妻の「パワーズオブテン」は、メディアアートの元祖的な作品で、地球から宇宙、さらにミクロの世界までもズーミングしながら通観する映像作品で、多くのメディアアーティストの作品に引用されてきたが、Google Earthのズーミングは、まさに、「パワーズオブテン」の完全デジタル化と言ってもよい。
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