アルスエレクトロニカ(ヨーロッパ最大のメディアアートのフェステバル)では、ドキュメンテーションに多くの鑑賞者のテキストや写真を集約し、多元的な編纂をするという取り組みを開始した。従来型の主催者の一元的な編纂からより多元的な編纂へと移行させようとしている。とはいえ、地域アートフェステバルでは、多くのボランティアが参加するようになっているし、拡大するイベントを主催者が網羅するのはもはや無理で、鑑賞者のライティングや写真のクオリティが上がっている今日において必然的な流れではあると思う。
問題は、編纂するコンテキストをまでも鑑賞者に委ねる部分を作るのか、あるいはシステム的なものでそれを補うのか。ウェブシステムならその可能性は充分あるが、本となるとかなり意図的な編纂が必要にはなるだろう。
どちらにせよ、アートフェステバルがここまで拡大している今日において必然的な流れであるし、ドキュメンテーションのテクニックやノウハウはそのスピードに追いついてなかったので今後の試金石となるだとうと思う。
http://www.aec.at/totalrecall/en/dein-festival/