スマートフォンがカメラも音楽プレイヤーも飲み込んでいく怪物的側面を現しつつあると先日書いた。
しかし、その期間もわずかかもしれない、という予兆も表れてきている。

グーグルがすでに開発者に向けて提供しているグーグルグラスは、字義通り、眼鏡型のデバイスであり、両手を使う必要がない。
グーグルグラスのような、ウェアラブルと言われるデバイスは、眼鏡型だけではなく、腕時計型など、様々なプロトタイプが出てきている。

iPhoneは、あくまで携帯型のPCが進化したものだ。革新的なインタフェ−スはタッチパネルということであるが、これが「スマート」なのか、と言われると疑問が残る。
皆が手元に顔を下げ、事故を乱発させるデバイスが決してスマートだとは言えないだろう。
また、写真の撮影にわざわざ両手を突き出す仕草もはたからみたら不恰好であると言わざるを得ない。また、スナップショットのような、早撮りもできないだろう。どちらかと言うと、スマートフォンによる撮影は、大きなファインダーを見つめる大型カメラのそれに近いものだ。

電話にせよ、カメラにせよ、音楽プレイヤーにせよ、電子書籍ビューワーにせよ、その他のアプリにせよ、専用機でない以上、何らかの不満を少しずつ残したままではあるが、統合する利点が勝っている道具ということだろう。

デジタル写真の進化した形は、フィルム写真とは似つても似つかないものになると書いたが、ウェアラブルのカメラはそれを予見するものだ。
これからは物体として意識しないものになる可能性も高い。

iPhoneの次の形をAppleが今出してない状態であることは、多いに懸念されることだろう。この次のデバイスイノベーターは、Appleではない可能性が大だ。

どちらにせよ、道具に人間が近づく時代は終わりつつある。道具が人間に近づく形が次のカメラの姿だろう。