雑誌の未来

 最近の若者は定期的に雑誌を読まない、ということを編集者の友人から聞いた。無料で手に入るウェブやフリーペーパーが氾濫しているのに、なぜお金を出して雑誌を買わなくてはいけないの?というごくまっとうな意見。自分の関心がある場合は、それごとに雑誌や本を購入するらしい。毎月、チェックする雑誌という観念がなくなってきているらしい。
 おそらく僕らくらいまでだろう、好きな雑誌があった世代は。そんなことを考えていたら、ポパイやブルータスを創刊した石川次郎さんという名編集者のインタビューが、ペーパースカイに載っていた。石川さんが言うには、勃興するテレビメディアのポテンシャルに危機感があって、雑誌の特性を活かしたスタイルに変えようと思ったとか。それは購読ユーザにターゲットを絞ったテーマ性やセグメント性ということなんだけど、それって、今ウェブの雑誌に対する優位性に他ならないわけで、雑誌はテレビからインターネットにメディアの力学がシフトしていく移行期に、少し進化しただけに過ぎなかったのだろうか、と思った。