機動戦士ガンダムエピソードシリーズ

今日、友人からもらった招待券で、天保山サントリーミュージアムで行われているガンダム展を見に行った。
 展覧会に関しては、なんとも評価しにくい、というところなのだが、(キュレーターの試みには敬意を表するが・・・)カタログに掲載されている、各界の識者のコメントの中で、作家の平野啓一郎のコメントは的を得ていたように思った。

 まず、1年戦争がそもそものガンダムストーリーの原点だが、ホワイト・ベースを中心としたストーリーはそれ自体が1年戦争の外伝なので、わかりにくいのも無理はない、という指摘。

 映画化される『Zガンダム』がシャアを中心とした再構成されるらしいが、それなら『スターウォーズ』のエピソードシリーズのように、革命家ジオン・ズム・ダイクンを主人公とした1年戦争以前のストーリーを作って欲しい、という指摘。

である。
 
 これは、僕もまったく同感で、ホワイトベースという連邦軍の中でも、少年兵で組織された末端の戦艦の、さらにアムロという戦士を中心に語られているので、それ自体が、1年戦争の1エピソードと言えるものなのだ。
 だから、初めて見る人にはかなりわかりにくストーリーであると言える。
それなら、やはり、宇宙世紀における地球とコロニーの対立軸や、その中の革命家ジオンとその息子キャスバル、そして、ファシスト集団ザビ家のストーリーを正面から描いた方が、1年戦争の1エピソードがもっと鮮明に浮かびあがると言っていいだろう。
 Z、ZZ、さらに何作もの亜流を生み出したガンダムの総体の掴みにくさは、最初の設定の難解さとその後の掛け違いによって、生まれたと言えるのだはないかと思う。
 四半世紀たった今でも遅くはない、いや今だからこそ、ガンダムのエピソードシリーズを熱望する