鉄道と映画の近代

昨日、NHKの「その時歴史は動いた」で、日本の製鉄産業の歴史に深く関わった人物について特集されていた。八幡製鉄所を作ったときの中心人物で、その後一度職を辞するのだが、八幡製鉄所で製鉄がうまくいかず、復職して溶鉱炉を設計しなおし、日本の近代産業の基盤を作った人物だ。
特に、初期製鉄のもっとも重要な製品は、鉄道レールであったという。鉄道こそが近代産業を支えるインフラであったからだ。八幡製鉄所がうまく稼動してからも、国産鉄道レールの品質は十分ではなく、よく破損事故が起きていたらしい。それを、弟子たちが問題点を解決し、ついに、1930年には日本の鉄道レールは完全国産化したのだという。
その後、弟子たちは満州に渡り、満鉄の鉄道レールを作ったらしい。

満州といえば、先日、テレビ東京の「李香蘭」を見ていたので、連想したのは満映のことだった。李香蘭ことと山口淑子は、敗戦時に、中国人の疑いをかけられ、満映の国策映画に多数出演していたことで、反逆罪に問われるところを、間一髪で疑義が解け、日本に帰れるようになった。
(ちなみに、李香蘭の父親は満鉄の中国語教師だった。)

当時の国策が、鉄道、映画という近代を象徴する技術と満州に集中していく様子が立体的に理解でき、興味深かった。

ちなみに、先日、ヒストリーチャンネルで、ホワイトハウスの映画技師のドキュメンタリーをやっていた。
これまた、アメリカの政治がいかにハリウッドや映画とパラレルな関係にあるかわかって面白かった。

近代とは鉄道と映画の時代だったのだ。