船大工のネットワーク

現在の車産業が、膨大な下請けを持つ巨大な産業体であるが、そのような膨大な関連企業が、車メーカーの工場を中心に集積している。また、その次に大きな電機メーカーもそのような集積体を作っている。
日本においては、品川、大阪、浜松、広島などが著名だが、それらの地域にはもともと産業が集積していた歴史がある。
それは、船大工のネットワークである。そもそも各地域の湾岸沿いに船大工が多数住んでいたのだ。江戸時代においてそのような職工集団がいたために、それらが新たな産業体へと生まれ変わることができたのだ。江戸時代に脈々と築いた地域と職人の遺伝子が、近代において形を変えて発展した。そのような歴史的な集積の上に現在の我々がいると言ってよいだろう。
ホンダなどは、バイクから始まり、現在では、飛行機からロボットまで手がけており、なぜ車メーカーが、という向きもあろうが、そもそもに、モビリティというテーマが一貫しており、その形態が時代によって変わっているだけ、ということになる。

そのような産業ネットワークをどのように築いていくかが、これからの課題だろう。

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