義務教育に必要なもの

 昔から学校という制度そのものもさることながら、義務教育のカリキュラム自体に疑問を持っている。
というのも、国家が義務として教育しなければならないものがあるとしたら、国語や歴史というのはあるとしても、憲法と法律だろう、と思うからである。
なぜなら、あなたがどういう国に生まれてきて、それはどういうコンセプトとルールで成り立っていて、ルール違反をすればどうなり、もしルールを変えたいなら、こういう方法で変えることができる、ということが、これから国に参加するものに最低限教えなければならないことだからである。
しかしながら、教育自体が、中学、高校、大学受験のテストに合格するためのものがメインで、さっぱり、法律について習った覚えがない。
国数理社の最低限の教養としての教育はあってもいいだろうが、教育を義務とするなら、憲法と法律以外ありえないように思うのは僕だけだろうか。この国に生まれていきて、憲法や法律に関係ない人はいないだろう。

よく学校で集団生活を学ぶとか言う意見があるが、学級崩壊やいじめなどを受けて良い集団生活が学べるだろうか?前に書いたように、それは工場労働や軍隊のための教育がベースなので、コミュニティ内の規範から外れると集団的な抑圧がかかる。
それならば、地域のサッカーでも野球でもなんでも、目的性や嗜好性のある団体に所属する方がよっぽど良い。個々の実力は良い意味で切磋琢磨され、リーダーシップも養成されるだろう。

義務教育を問いなおす (ちくま新書 (543))

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