故郷のありか

 僕らのような団塊ジュニアの世代にとって、故郷とはほとんど、郊外住宅であり、それを故郷というのははばかられる。
 宅地造成の中で過ごした幼少時代は、同時に父母の故郷に帰省する時代とも重なっているが、父母の故郷を自分の故郷のように感じることも難しい。
 団塊の世代が、故郷と全共闘という現風景を持っているとしたら、僕らの世代が持っている原風景は、ガンダム宮崎駿などのアニメやドラゴンクエストのようなロールプレイングゲームの中にある。例えば、ガンダムが25年経っても人気があるのも、宮崎アニメが人気があるのも、そこに我々の原風景を見出しているからに他ならない。
 そこにある自然やそこにある人工こそが、僕らにとっての遊び場だったのだ。

しかし、今の子供達にとっての原風景とは何になるのだろう?やはりプレステやDSのようなゲーム、あるいは携帯小説や携帯ゲームの中にあるのだろうか。
ちょっとした農業ブームがやってきているが、そこに見出しているのは郷愁か新しい発見か。

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