多元ドキュメント 夏・東京湾岸24時
東京湾の1日に起こる様々な出来事を、4人のディレクターが追って描写していく、というドキュメントをしていた。
今年に入って、テレビはますます面白くないが、制作費のあるNHKのクオリティの高さが結果的に目立つことになっているよように思う。
民放はそろそろ合併に向かった方がいいだろう。と言っても放送免許の問題があるので難しいのかもしれないけれど。
さて、東京湾岸の24時間のドキュメントは非常に興味深いものだったが、新しい軍艦島と言った感じだった。
高度経済成長期と今とでは、活気が全然違うのは確かだけど、人工に出来た島に住民が住む様子は、軍艦島を彷彿とさせるものがある。それなりのコミュニティが発生し、村落共同体に似たものも生まれている。
また、工場に惹かれる工場萌えの一団がいたりして、ノスタルジーとは異なる新しい発見をしているわけだが、そういうリアルタイムさも、軍艦島的ではある。
クラブパーティなども開催されていたが、おそらく、軍艦島でも盆踊りは開催されていたのではないか。もし開催されていたら、似たような光景だっただろう。
どちらにせよ、人工がヴァーチャルになり、手触りがなくなった時代に、何らかの手触りや物質性を求め、湾岸に集う人々の様子は不思議な感じだった。
自然を求めているわけではないが、物質性を求めているのだ。これを人工自然と言えばいいのだろうか。
- 作者: 大山顕,石井哲
- 出版社/メーカー: 東京書籍
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 12人 クリック: 594回
- この商品を含むブログ (183件) を見る