グラン・ジュテ〜私が跳んだ日 

 ソングライターズが終わって?、残念だと思っていたら、また、いいドキュメンタリーのシリーズが始まった。何度も言うけど、もうNHKと他局番組のレベル差が開きすぎてる。

 今回は、最近、著書も出たり、様々なメディアで紹介されている、バングラディッシュの伝統技術を使ったバック販売で有名な山口絵理子さんと、パン職人の北村千里さん。

 山口さんはもう説明する必要のないくらい有名なので割愛するが、美大生からパン職人になった、北村さんの話もなかなか興味深いものだった。
 僕の友人にも、美大出身でパン屋になった女の子が何人もいるが、なぜなんだろう?
 一度、「なぜ美大生はパン屋になるのか?」というテーマで議論したことがあるが、まあ、僕らは男なんでよくわからず、やはり肌感覚や手作り感覚に惹かれるのだろう、というような凡庸な推測で終わっていた。

 しかし、これがなかなか続かない。パン屋というのは、とんでもなくハードワークなのだ。朝もむちゃくちゃ早い。手作りに惹かれる程度の根性じゃとても続かない。ということで、パン屋に転職した女の子達は、30歳くらいで転職するか、結婚を機にやめてしまうことが多い。

 当の北村さんも天然酵母のパンというニッチなものを作っていたが、都会のカフェで人気になり、毎日配送する量がとんでもなくなって、1人だけいた従業員は失踪してしまうは、自分は腰を痛めてしまうはでいきずまってしまう。

 それから、もっと地元に密着した、天然酵母でも小粒で食べやすいパンを作ることにして受け入れられるようになっていく。
そして、店の常連客の人と結婚し、子供も生まれたことで、心と体のバランスの取り方がわかってきたという感じだった。

 女性の生き方は、今の時代、本当に千差万別で、かつてのように専業主婦かキャリアウーマンというような、二者択一ではない。
だからこそ、どうやって自分らしく生きていくかが、女性にとって大きな問題になっており、そのモデルを示していくことが、この番組の趣旨だろう。

 グラン・ジュテとは、バレエ用語で跳躍のことを指すらしい。番組を見ている多くの女性のグラン・ジュテのきっかけになれば、というのが制作者の願いだろうけれど、ディレクターは女性だろうか?異性ではあるけれど、共感したり、応援したくなる。
 また、男性の生き方についても、番組を作ってほしいなとは思う。

http://www.nhk.or.jp/partner/grand/