ボクシングの人生

 日曜日は、相撲やゴルフなどいろんなイベントがあったが、なんと言っても、内藤、亀田戦が注目だった。

 まさに因縁の戦いだけに、ワイドショー的な印象は否めないが、なかなかいい試合だったと思う。

 すっかりヒールな印象になった亀田は、蓋を開ければアウトボクシングでカウンターを狙う試合巧者で、礼儀正しい謙虚な印象の内藤は変則的なフックを振り回すスタイルで、パブリックイメージとかけ離れたスタイルの戦いだった。

 この2年の間、亀田はボクシングが巧くなり、精神的にも成長したのとは逆に、内藤はやはり年をとり、体力が落ちたのではないかと思う。

 この2年がお互いのパワーバランスを変えてしまい、それが昨日の結果を生んだと言えるだろう。

 しかし、彼らの性格や家族など、好き嫌いはあるだろうけど、両方片親で苦労してボクシング一筋に捧げてきたことを思えば、マスコミの作ったバイアスを抜いて、両方よくやったなと思うしかない。

 関西人から見ると、亀田家の過剰なパフォーマンスは、サービス精神の表れでマスコミが求めていることを演じていたふうにしか見えない。タメ口に関しても、彼らは小学生くらいからテレビに注目されており、小学生が大人にタメ口を利くのはあまり珍しいことではない。そして、それを大人も当初はほほえましく見ていたのである。
 それが大人になって、その当時の感覚からずれていったのはその通りだと思うが、さすがに、そのことは彼も感ずいていて軌道修正している様子だった。

 基本的に、大人が大口を叩くのは日本社会は好きじゃないので、大口を叩いても問題ないくらい、圧倒的に強くなってほしいものである。