科学技術・スポーツ・芸術と事業仕分け

 今回の事業仕分けで、ぶったぎられた予算に反論すべく、ノーベル賞受賞者や、オリンピックのメダリスト達が抗議声明を上げている。

 しかし、ひっそりと?同じく予算を切られた芸術文化関連の人達からはそういう声は聞かれない。

 ノーベル賞やオリンピックメダルのようなわかりやすい成功者がいないからかもしれないが、意外に恩恵を受けてきた人達も多いはずで、こういう時に抗議声明くらい上げないと、やはりその程度のものなのね、ということでばっさりいかれるような気がする。

 科学やスポーツよりも、芸術は個人的な作業が多いので、徒党を組みにくいのかもしれないが、元来、日本という国は行政も企業も消費者も芸術に対してお金を払わない傾向が強いので、こういう予算が削られることに対してはもっと敏感に反応してもいいと思うのだがどうなのだろうか?

 もちろん、短期的にも長期的にも、技術やスポーツ、芸術に予算を投じることが、スポンサーたる国民にどのように還元されるかは、もっと精緻に説明する義務はあると思うが、資源のない日本において、科学技術やスポーツ、芸術は育てれば、重要な資源になるだけに、政府も明確なビジョンを描くべきだろう。