東京のグラウンディング

 昨日のブラタモリは、タモリの東京街歩きの真骨頂とでも言えるものだった。

 坂道研究では本を出すくらいのマニアであるが、東京の台地の構成、さらに、台地を削る川などについて、高低差を体感しつつ、かつての川の所在について正確に突き止めていく。

 毎年、急変貌を遂げる東京という巨大都市の変わらない土台を見抜く目はたいしたものである。

 たしかに、町並みのようなところに思いを寄せていたら、それらが毎年変わっていくことに、憤りを感じたり、郷愁を感じたりするが、タモリの視点では上皿は変わっているが、縄文人弥生人もこの高低を昇り降りしていた、という何万年も変わらない日本人の営みに思いを馳せることができきる。
 
 近年の建築関係では、タモリと同じように、建物ではなく、擂り鉢状の盆地に注目するような動きもあるが、やはり、もはや原型がわからないくらい変わる東京という街の普遍性を求めてのものかもしれない。
 
 

10+1 No.42 特集=グラウンディング 地図を描く身体

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タモリのTOKYO坂道美学入門

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