日韓の象徴的戦い

 今日は、日本韓国ともに、全国民がテレビに釘付けになっていたことだろ。
もちろん、フィギュアスケート浅田真央キム・ヨナの対決である。

 ネットでは、採点に関する陰謀論も飛び出し、観客の方も場外乱闘を見せていた。

 結果、ご存知の通り、キム・ヨナが信じられない高得点を出して、オリンピックの場で2回もトリプル・アクセルを決めた浅田真央に完勝した。

 直前にやっていた、浅田真央キム・ヨナのドキュメンタリーでは、キム・ヨナのコーチのカナダ出身のブライアン・オーサーが、キム・ヨナの特性、観客や審査員の特性、他選手の特性を完全に調査、把握した上で、完璧な戦略を立てていたことが映し出されていた。
 演技の構成や流れをよくして、演技に緩急を入れることで、うまく休憩をできるようにし、ジャンプを確実に決めることで、難易度の高いトリプル・アクセルを飛ばなくても勝てるように計算していた。
 
 それと比べて、浅田真央やジャンプも最高難度、その間のつなぎも難易度の高い振り付けにし、演技の間ひと時も休みのない最高難度の挑戦をしていた。

 その結果、キム・ヨナはミスなく流れるように、演技をして最高得点をたたき出し、浅田真央はトリプル・アクセルを2回完璧に決めたものの、後半になって体力が落ちてきて、氷上のくぼみに足がひっかかり、ジャンプをミスしてしまうことになってしまった。

 日本人は、皆やはり浅田真央を当然応援するし、とんでもない挑戦をした浅田真央の方が好感が持てる。それは間違いない。

 しかし、勝つための戦略を立て、実際勝ったキム・ヨナに対して、複雑な思いで見てしまうことは確かだ。
 浅田真央は、勝つための戦略というより、挑戦するための戦略であったし、勝つかどうかわからない賭けのようなところもあった。

 なぜか、高精細な映像を追求したもののサムソンやLGに席捲されている日本の家電メーカーを連想するところもある。

 我々はつくづく戦略が好きではない民族なのだなと感じさせられる。これが美徳でもあるのだと思うのだが、負けると悔しいので、やはり勝って欲しかったというのが本音のところだ。