スポーツか芸術か?
浅田・ヨナの2人の対決がもたらした問題は、とどのつまり、フィギュア・スケートは、スポーツなのか、芸術なのか、ということにつきるような気がする。
オリンピックであるかぎり、スポーツなのだが、男子も女子もジャンプのレベルを下げた2人が勝った。
スケーティングや全体的な構成、技の流れは本当に素晴らしくきれなものだった。浅田とヨナの2人のスケーティングの美しさを比較したら、間違いなくヨナが美しかったと思う。それはまさに芸術的な演技だった。
しかし、トリプルアクセルの3回転をこなした浅田は、やはり、スポーツとして最高の演技だったと思う。
採点でもめるのも、フィギュア・スケートがいったい何なのだ、ということにつきるのではないかと思う。
スポーツ性と芸術性、この2つを併せ持つ魅力的なジャンルは、それゆえに、この2つの間で、今後も揺れ動くのではないかと思う。