トらやんの大冒険

現代美術作家、ヤノベケンジの絵本。物語性の強いヤノベのキャラクターがついに独立した物語をつむぎ出した。
絵本のトらやんは、実物よりかわいい。
ヤノベ作風は、続きもの、なので、はまるまでには時間がかかる。だが、はまれば虜になる。
オールマイティで物を作れる技術、強い物語性は近年の作家ではまったく太刀打ちできないだろう。

トらやんの大冒険(通常版)

トらやんの大冒険(通常版)

『トらやんの大冒険』では、ヤノベ作品のキャラクターがたくさん出てくる。そんなシーンがかつてあった。金沢21世紀美術館のアーティスト・イン・レジデンスのプロジェクト『子供都市計画』である。
子供のための都市をヤノベが半年かけて、金沢21世紀美術館に作り出したのだ。
『トラやんの大冒険』は、その時の経験を隠喩的に物語化したものだろう。
是非、併せて読むことをお勧めしたい。

ヤノベケンジ:ドキュメント子供都市計画

ヤノベケンジ:ドキュメント子供都市計画