メイド・イン・トーキョー

ユニット派と呼ばれる共同作業で建築をする世代の代表格、アトリエ・ワンが中心となった90年代の都市サーベイものの名作。
無秩序都市東京に、散見されるおかしな建造物の「組み合わせ」をコミカルに紹介。
もちろん意図して作られているわけではなく、主語はトーキョーとしかいいようのないため、メイド・イン・トーキョーとされている。
そのキャッチーなネーミングとプレゼンテーションは、ユニット派世代の高度な編集能力を示した代表例となった。

メイド・イン・トーキョー

もちろん、その前例として、赤瀬川原平の『トマソン』、藤森照信の『建築探偵団』、荒俣宏の『風水先生』など、80年代の路上観察学会の活動が上げられる。

超芸術トマソン (ちくま文庫)

建築探偵の冒険〈東京篇〉

荒俣宏コレクション 風水先生 地相占術の驚異 (集英社文庫)

路上観察学入門 (ちくま文庫)

赤瀬川原平の活動もまた、今和次郎の『考現学』に影響を受けているのは言うまでもない。

考現学入門 (ちくま文庫)

東京の路上は今も芸術家をインパイアし続けている。
タモリの坂道もその系譜につながると言ってよいだろう。

タモリのTOKYO坂道美学入門