仮想のコミュニティ

読売新聞の読者投稿サイトの発言小町をまとめたサイトが人気だったが、読者のクレームにより閉鎖されたことが話題になった。
発言小町は、もともと、新聞の読者投稿欄をネットにした単純なものだが、それが思わぬ評判となったらしい。

担当者が、もともと新聞の読者投稿欄をネットにした、と言っているところからも、もともと、先進的なネット主導の発想ではなかったことは間違いない。しかし、新聞と読者という、旧来の日本のコミュニティに非常にマッチしていたと言えるだろう。
かつての雑誌にも、必ず読者投稿欄があったように、旧来のメディアにも読者が参加するスペースが必ずあった。それが発行サイクルという時間差がなく、またその量も膨れ上がったというのが今回の現象だろう。
また、その影響力も、主たるニュースから、読者投稿欄というコミュニティの割合が強くなってきている。

かつて、新聞や雑誌には、読者が作る仮想のコミュニティ空間があったと言えるのではないかと思われる。それはラジオもそう言えるかもしれない。新聞、雑誌、ラジオが作り出してきた仮想のコミュニティは今、ネットという新たな仮想空間の中で、大移動をしていると言えるのかもしれない。mixiがテーマ性の掲示板をコミュというのはそういう意味である。その仮想のコミュニティこそが財産であり、どれだけそれを引き継げるかが、旧メディアの勝負になるだろう。

しかし、メディアが変わっても、コミュニティを志向する人の気持ちは変わることがない。しばらくの間、コミュニティを求めて人々は彷徨することが続くだろう。

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