車のデジタル化

昨日、NHKBSとワールドビジネスサテライトの両方で電気自動車の特集がされていた。
ここ数年の急激な原油高でにわかに現実味を帯びてきた電気自動車だが、
世界のあらゆる地域でベンチャーが参入しているようだ。
自動車といえば、今や、アメリカを押しのけて日本の中心産業ではあるのだが、なぜ、ベンチャーがやすやすと参入できるのか。
どうやら、エンジンの自動車と比べて圧倒的に、組み立てに必要なパーツが少ないらしい。簡単に言えば、モーターと電池があれば走る、でかいラジコンのようなものだからだ。
日本でも、来年にも三菱電機などが市場に売り出すそうだが、今まで長い間かけて蓄積したエンジン自動車の細かなノウハウが、クリアされる可能性もあるのだ。
自動車産業は、2万点にも及ぶパーツを組み立てるのに、小さな町工場などを巻き込んだ、非常に裾野の広い産業体である。それがいっきに4割程度は減ってしまうのだ。
そうすると、その裾野も狭くならざるをえないだろう。

この話、何かに似ている。かつて、ビデオデッキは細かいアナログ的な機械処理が多く、なかなか参入できなかったのが、DVDプレイヤーになって、パーツが極端に少なくなり、新興のメーカーが大量に安価な商品を発売したことでいっきに過当競争に陥り大手メーカーには利幅のない商品になってしまった。

実は、電気自動車とは、DVDプレイヤーのように、車のデジタル化であり、車メーカーすべてを巻き込んだ過当競争が起こるのではないだろうか。
それから逃れるためにも、今まで得た蓄積をなんとか入れるしかないだろう。それはカーナビなのか安全性なのか、様々な付加価値であることは間違いない。

車のデジタル化の行方は今後加熱しそうだ。

電気自動車が加速する! ―日本の技術が拓くエコカー進化形― (Tech live!)

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